ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

その子は、この病室が初めてらしく、
目的の人物を順に目で追い探していた。

合わせたくなかった視線が合ってしまい、その子は真っすぐ奈月の元へ歩いて来た。

「…篠原さんだよね?」。

「そうですが…。」。

「突然にごめんなさい。私、谷村由衣っていいます。」。