ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

『なんで、こんな事に…。』

ため息をつく杉山の視線の先には、サインを出す川原の姿がある。

本来ならここには、3年生エースの斉藤がいるはずだった。


昨日の準決勝戦、ファーストゴロに打ち取りベースカバーに入った斉藤をアクシデントが襲った。

バッターランナーと1塁ベース上で交錯して負傷退場してしまったのだ。

その後に投げた長崎もマメを作ってしまった。