ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

駒野は、持っている紙袋の中身を出し始めた。


「外郎なんて、いら…な…い…」。


口調がトーンダウンした奈月に駒野は苦笑した。

「これが外郎だと思う?」。

「折り鶴…、千羽鶴!?」。

「そう…いや違うな、999羽鶴かな。…誰かが、1羽くしゃくしゃにしたから。」。

「…えっ、じゃ…。」。