ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「右手…、またメス入れる事になったよ…。」。


杉山は、病院の待合室で待っていた吉沢 亜紀に声をかけた。

マネージャーで夏の大会以降から付き合っている吉沢と一緒に杉山は、
病院に来ていて、再手術を宣告されたのだった。


「そんな…。また投げられるの?」。

杉山は首を横に振った。

「今のところ、全くわからない…。けど…、難しそう…。」。

「そう…なんだ…。」。

吉沢は、杉山の右手を黙って見つめた。