ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「やったね。」。

駒野の言葉に奈月は笑顔で頷いた。


『これで落ち着いてくれんかなぁ〜。』。

駒野は、神様がいるなら心底叶えてほしい事を思っていた。


しかし、弥生南学園に、先制点は入らずチェンジになり、
駒野は恐る恐る、奈月を見た。
奈月は、澄ました顔をしており、自分を見ている駒野を不思議がった。


「どうしたの、知恵?」。

「ううん、別に…。惜しかったね。」。

駒野は奈月の意外な反応に戸惑いを感じていた。