ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

「指の事?充も言ってた…。」

「そう、言ったんだ…。充君は覚悟していると思う。でも本人の覚悟以上な結果になったら…。」

「そう…ならないと…いいな。」

奈月は俯いた。

「奈月ちゃんは、ホントに優しいね。さぁ、遅くなったね。奈月ちゃんも寝て。」

藤崎に追いやられ、奈月は物思いにふけながら病室に入って行った。