卒業式の練習もしていない私が分かるわけもなく。 卒業式は空気に流れるように進んでいった。 唯一私の出番といえば名前を呼ばれて 卒業証書をもらうことくらいだった。 咲愛也はさっそく好きな男子から第2ボタンをもらってた。 というか男子からもらってくれという申し出がいっぱいあった。 私と一番縁がないのは『恋』だと思う。 ハッキリ言ってそんなことどうでもいい。 それよりもっと大変で大事なことが私にはいっぱいあったから。