男装美少女

「何だ。こんな遅くに残して蓮。お前、俺を襲う気か？」



マジな目で、お兄様に言う、隼さん。



「何で隼さんなんか、襲わなくちゃいけないんですか！もっと可愛い女の子を、襲いますよ。」





「あ、あのっ。」



あたしが話し始めようとすると、隼さんも、お兄様も、黙ってくれたし、襲うっていう話ばかりされても、男同士だし、執事の服なんだし、晴さんも、光さんも、結構引いてる。




「なぁんだ。怜桜ちゃん。もうバレちゃったの？　つまんな～いの。」




店長は、あたしが口を開く前に、本当のことを言ってしまった。




重大秘密のオープン状態




「あ、あたしは、じじじ、実は、男ではなく、女なんですよ。テヘヘ。」




と、少し強がりのテヘヘなんて入れて、晴さんの言った通りに、ちゃんと説明した。




「はぁ～。店長。ココ、男だけでしょ。従業員。」





って、光さんはやっぱり、リーダー感を出して、ツッこんできた。





「だって～。私がはまってるマンガの主人公の男の子にすごい似てるから、私がどうしてもっていって、働いてもらってるの。だから、みんなにバレたくらいじゃ、やめさせてあげな～い。」





軽～く、店長は言って、嵐のように去っていった。




でも、いきなりドアが開いて、店長が、戻ってきた。




だが、思い切り過ぎて、またドアに頭を直撃させた。




「だから、怜桜ちゃんには、重いものもたせないようにしてよ。返事は。」




「はい。」



あたしはもちろん返事なんかしないけど、他のみんなは、ハモるほどがんばって返事をしている。




えら～い。




少しばかり感心した。