男装美少女

もし、あたしに用事があってこの日じゃなかったら。







もし、あたしたちがもう少しご飯を遅く食べていれば。









もし、彼と姉が付き合っていなかったら。







彼氏さんは、お姉ちゃんが死んだ三日後、








新しい彼女ができたと、涼しい顔であたしたち家族に言ってきた。







お姉ちゃんが信じていたものは、一瞬だけしか悲しいそぶりを見せなかった。








どうして、そんな男を信じられたのか。







その日の夜は、お兄ちゃんにしがみついて泣いた。







枯れたと思った涙は、出てくる。








そのときのお兄ちゃんの優しさが、今のあたしのブラコンに繋がった。






男性恐怖症の原因は、この人と、城山