「怜桜ちゃん、こいつ連れて行くでなぁ。ほんじゃあオヤスミ。」





「あっ、おやすみなさい。」




晴は龍さんに引きずられる様にして、あたしの部屋から出て行った。






少し痛そうだった。




だってあたしのうちは、バリアフリーってわけじゃないから、段差がいっぱいあるのに、引きずられたら晴の整った顔がつぶれちゃうよ。





どうせあのガサツな龍さんの事だから、気絶していた晴を階段でぶつけて起こしちゃうんだよ。




ドンッ。




階段のほうから鋭い音共に


「いってぇ。」




晴の低い声が響いた。




やっぱりおかしい。




あたしは晴のことを好きなわけじゃないのに、廊下を走り出していた。