カチカチ病とやら見たいなのにかかってしまったので、全く動けなかったんだ。



そうすれば、あたしが動けなかった理由に辻褄が合う。




完璧な重い病気。



下手すると死んでしまうかもしれない。




危険性大。




「そんな病気ないわ。っていうかあったらかかってしまった人に逢ってみたいや。それにお前にかかってんのは、妄想症候群だろ。」



もっ、妄想症候群!?



そんなのあたしのためにある病気じゃないの。




「ちょっとは静かにしたら?うるさくて寝れないんですけどぉ。」





晴はかわい子ぶったような口調で言ってきた。



誰の真似?




「って、あたしまた口に出してたの?!」



まじまじと聞いてくるあたしに驚いたのか、晴は一瞬目を見開いて、でもいつもの余裕たっぷりに戻り、コクンッと頷いた。




頷き方が可愛い\\\



はっ!変態なことを考えてしまった上に、声にまで出していたなんて、この状況をクリアするには……寝るしかないっ!




あわてて布団に戻ったあたしを、どう思ったのかは分からないが、悪い印象しか与えてないのは絶対に確かだ。




なんか悪い事したなぁ。




そんな重いとは裏腹に、あたしは晴の方を向かずに、壁にぴったりくっついた。





「可愛。」




その言葉に晴れの方へと顔を向けると。



「くない。」




はぁぁぁぁぁぁっ!




もう一発殴ってやりたい気分だ。




もうこぶしは握っている。



あとは殴るだけなんだ、こっちは準備万端だ。