洋館へ帰ると、エントランスにはまだブルーハワイが立っていた。
相変わらず青い月を見上げている。
私の存在に気付いたブルーハワイは目を丸くして尋ねてきた。
「……その者は?」
「私の欲しいものを与えてくれた人よ。この人自身が欲しくなったから奪ってきたわ」
「レッカ様がお許しになるかどうか……」
「いいのよ。彼は私に興味なんてないもの。いつも謎を作って……次の獲物を品定めして……」
亘理のココアで消えていた寂しさがこみ上げてくる……。
「亘理、早速だけどココアを用意して!」
「かしこまりました。ではキッチンをお借りしたいのですが」
亘理はブリュレに連れられてキッチンへ向かった。
亘理の様子は、あの喫茶店と何一つ変わらない……。
怯えもせず、取り乱すことも無く……自分がどうしてここにいるのかわかっているよう……。

