一口含むと口内に柔らかな甘さが広がる。
温かくて……優しくて……このお店のよう。
……亘理のよう……。
「おいしい……亘理、あなたが作ったのよね」
「もちろんです」
微笑みを絶やさない亘理にいつの間にか、洋館を飛び出した時のような寂しさも消えていた。
「私……このココアが欲しい」
「いつでもお作り致します」
「あなたが作るココア以外も飲みたい」
「いつでもお作り致します」
「……私のところへ来ない?」
亘理は頷かなかった。
「あなたが欲しい」
私は彼を連れ去ることにした。
……そう、怪盗レッカのように。

