勇介の寝顔を見つめる。無防備で可愛い寝顔。
ふと携帯を取り出して、勇介の寝顔を激写しようとすると、シャッターを押す前に勇介の目がパッと開いた。
殺気を感じたように私の方をみると、携帯を向けて固まる自分…。
まずい、と顔をひきつらせて笑うと勇介は不気味な笑顔を返した。
「愛奈さん、盗撮はいけないよ?」
「すいません、寝顔が可愛かったのでつい…(笑)」
「病人だからって何でも許されると思ったら大間違いですよ?」
「…ごめん。眠れなくて…。それにしても勇介は本能的にカメラが嫌いなんだって改めて思い知りました。」
「うん、だいっきらい。」
優しい笑顔でいう勇介がますます不気味で笑うしかできない私。
「またクッション投げしたいの?」
「いや、さすがにそんな体力ないんで遠慮します…」
喋れば喋るほど声が小さくなっていく私に勇介が笑う。



