-部恋。Round.03-



「そんな見ないでよ。照れちゃう。」

「髪乾かしてー。手止まってるけど。」


そう言われて髪を触ると勇介は目をつむって大人しくなった。

髪を乾かすだけなのにこんなにドキドキするなんて不思議。
けどすごく安心するゆったりした空間。


きっと全然話せてなかったせいだね。



「はいっ、乾いたー。」

「ありがとう~。」

勇介はそう言いながら私に抱きついてギュっとした。



ちょうどお腹あたりに勇介の頭があってそっと勇介の頭に触れた。

「本当に心配かけちゃってごめんね…。」

「うん、すっごい心配した。それに悔しかった。」

「悔しい…?」

勇介は顔をうずくめたまま少し黙っていた。