「そんな見ないでよ。照れちゃう。」
「髪乾かしてー。手止まってるけど。」
そう言われて髪を触ると勇介は目をつむって大人しくなった。
髪を乾かすだけなのにこんなにドキドキするなんて不思議。
けどすごく安心するゆったりした空間。
きっと全然話せてなかったせいだね。
「はいっ、乾いたー。」
「ありがとう~。」
勇介はそう言いながら私に抱きついてギュっとした。
ちょうどお腹あたりに勇介の頭があってそっと勇介の頭に触れた。
「本当に心配かけちゃってごめんね…。」
「うん、すっごい心配した。それに悔しかった。」
「悔しい…?」
勇介は顔をうずくめたまま少し黙っていた。



