目が覚めると冷たい感触がする。
首や脇を冷やされ、まだ少し顔が火照ったままだった。


熱中症だな…。


そんなことをぼんやり考えつつ、反省した。
お母さんは看護師だから、部員たちが何かあってもいいように初期対処はとにかく教え込んでもらっていた。

なのに自分が初期対処されるなんて本当に情けない。


ゆっくり体を起こすと頭がまだふらついて立つことも出来そうにない。
少し溜め息をついてベッドに横たわる。



外は薄暗くなっていて、何時間も寝ていたようだった。
誰もいない部屋…電気もついてない暗い部屋で心細く感じた。