私は手を引きながら振り返ると、拗ねていた勇介が小さく笑った。



「なんで彼女に手ひかれて歩いてんだろ、俺。」



「ひとつ言っていい?」


「なに。」



「拗ねてる勇介、可愛くて好きよ。」


「なんだそれ、うれしくねぇ~(笑)」



「ぎゅーってしたくなるよ。」



「じゃあしてよ。」



「おいで。ゆーすけくん。」


「俺は犬か(笑)」




勇介が来てくれないから、私から抱きついた。




ぎゅっとすると勇介の匂いがした。


優しくて暖かかった勇介のうちの匂い。



体を離して勇介の顔に手を添える。

髪を少し撫でで、頬にチュッとキスをした。




「あ。胸キュン。」


「恋する乙女だもんね?」




「もー、それ忘れて(笑)。」



呆れて顔を背ける勇介に私はまた頬にキスをしたんだ。