唇を噛み締め、何一つ言い返せぬまま。

「行くぞ、豊田、麗華」

小川がテントの外に出る。

後に続こうとする豊田と麗華。

しかし。

「隊員さん」

そんな三人を、一人の女子中学生が引き止めた。

「ずっと何時間も働き続けてるんでしょう?少し休憩して下さい」

彼女はそう言って微笑む。

「いいんだお嬢ちゃん!そいつらこき使ってやればいいんだ!」

相変わらず辛辣な言葉を吐き続ける一部の被災者。

そんな者達に、女子中学生はキツイ眼差しを向けた。