振り向いた先にいたのは、煤と埃で顔も迷彩服もすっかり汚れてしまった小川の姿。

身につけている迷彩色の鉄帽や革手袋、それに頬までもが軽度ながら焼け焦げてしまっている。

彼が潜り抜けてきた隕石落着現場が、どれ程過酷なものだったのかが窺える。

「要救助者の捜索と救出を再開するぞ」

二人の部下の姿を確認するなり、避難所のテントから出て行こうとする小川。

「ま、待って下さい!せめて手当てだけでも!」

麗華が小川を呼び止める。

「そうですよ!小川分隊長、今戻ってきたばかりなんでしょう?少し休んだ方が…」

豊田も言いかける。

そんな彼女達に。