ようやく小川は、振り返る。

…周囲の火災は、より酷くなっていた。

先程の隕石群の落着によって新たな火災が発生。

迎撃に失敗したバイパーゼロや隕石の直撃を受けたUH-60J 救難ヘリコプターに限らず、戦術自衛隊の航空機や艦船にも少なからず被害が出たようだ。

「……」

無力。

どんなに過酷な訓練を積んでいても、自然の脅威には何も出来ない。

その事が、小川に歯噛みさせる。