「先生!俺、体調悪いんで
保健室行きます!」


えっ…なんだ…
かばってくれるのかと
期待したのに…



「あ!でも保健室わからないから
誰かに付いてきて欲しいなぁ…」



その瞬間クラスの女子が
一斉に手を挙げた。



あぁ…やっぱりね…
お決まりの展開ね。
でもこれでわたしに嫉妬の
矛先が向かなくて済むなら…



「じゃぁ美鈴で!」



え?



「美鈴に付いてきてもらうから!
美鈴行こっ?」


「えっ…ちょっと…」



そう言って
ぎゅっ
って握られた手…



ちょっと力が強くて
男の子だなぁなんて思って
だけどドキドキして
胸が苦しくて…


あぁ運命の人
ごめんなさい。
今日だけ。今だけ。
海斗くんといることを許して…




女子のブーイングを背中に
私たちは保健室へ向かった。