「こーい!」 「ファーストいくぞー!」 「おーいっ!」 選手と監督さんの大きな声。 それを見ながら部室掃除。 部室はグラウンドの向かい側にあって 窓から差し込む光が あたしの気持ちも少し楽にさせてくれる。 だけど気を許すと、どうしても 先輩のあの行動が脳裏に浮かぶ。 どうしてあの時、手なんか繋いだの? 手を離した瞬間の冷たい風。 今でもクリアに覚えてる。 なんで先輩を好きになってしまったの。 じゃなきゃ、こんな気持ちに ならなくてよかったはずなのに…。 先輩の、バカ…。