* 片思い *






「こーい!」

「ファーストいくぞー!」

「おーいっ!」




選手と監督さんの大きな声。




それを見ながら部室掃除。




部室はグラウンドの向かい側にあって


窓から差し込む光が


あたしの気持ちも少し楽にさせてくれる。





だけど気を許すと、どうしても


先輩のあの行動が脳裏に浮かぶ。






どうしてあの時、手なんか繋いだの?




手を離した瞬間の冷たい風。


今でもクリアに覚えてる。




なんで先輩を好きになってしまったの。



じゃなきゃ、こんな気持ちに


ならなくてよかったはずなのに…。





先輩の、バカ…。