「先輩……」 「ん?」 ……やっぱりダメだ…。 こんな状況で、 あたしの気持ちなんて…言えない。 『あたしは好きです』 『先輩が大好きなんです』 って、言いたいけど、言えない。 今は… 「こんな綺麗な夜景が見れる丘に 連れて来てくれてありがとうございます!」 作り笑顔しか出来ないや。 帰り道、『送る』って先輩は言ってくれたけど とてもそんな気分じゃなかったから 『親が来てる』と嘘をついてしまった。 あたしは暗い路地を一人 泣きながら歩いた。