* 片思い *




「美味しいですか?」


『かなりな!』




そしてまた受話器越しに


笑い声が聞こえた。




すごく心が落ち着く。


なんでだろ?





『窓の外、見てみて』



部屋にいたあたしは、


先輩の指示通り窓の外を眺めた。





「わあ…っ!」





大きな夕日が山頂に


丁度沈んでいこうとしていた。




「すっごく綺麗…」





思わず先輩と電話してることまで忘れて


夕日に見入ってしまった。





『俺も今 夕日見てるよ』



先輩の言葉に、一つ一つ


ドキドキしてしまう。



同じ時間を共有してると思うと


幸せだと思って仕方ない。