* 片思い *






「…先輩は、進学ですよね?」


「うん」


「今から…忙しくなりますね」


「そうでもないよ?

センター試験は冬だから」


「面接練習とか、履歴書とか

あたしも来年すると思うと……」


「あははっ!重い重い~

そんなに思い込まなくていいよ!」





『実愛ちゃんって案外臆病なんだ』


なんて言って、先輩は笑った。




考えすぎてた自分が恥ずかしくなって


火照る顔を隠すために俯いた。






「…照れた?」


「……少し…」


「あははっ!実愛ちゃん可愛いー!

そんなキャラだったっけ?」


「…というと?」


「部活の時は、真剣な顔を

よく見てたからさー」


「そ、そうですか!?」




予想外の言葉に、慌てて先輩を見た。