* 片思い *





「……え?」



先輩の言葉が理解できずに


呆然とするあたし。





「方向、一緒だろ?」


「そうですけど…」


「俺と帰るのイヤ?」




少し悲しそうな瞳を見て


慌てて首を横に振った。




「とっ、とんでもない!

むしろ、送って貰うなんて

先輩に悪いですっ」


「俺が実愛ちゃんを送るって

言ったんだからいいの!」




そう言うと、先輩は


逞しいような、強いような




とにかく男の人ならではの


笑顔を見せてくれた。





そんな一面を見たあたしが


より一層先輩に惚れたのは


言うまでもないんだけどね。