「さぁーて、出来上がり!」

「美味しそう〜!」

「寛太にも味見させよう。」

「そうですね。」

「呼んでくるね。部屋でグズッてるんだわきっと。」

「あ、私達もすぐに帰りますから!」


その間に、器に盛り付けながら、もう一度、レシピを復習するちひろ。

その時、

「ちーちゃん!」

潜めた声で呼び掛ける怜子に気付き、

「はい。」

「ちょっと来て!いーもの見せてあげる!」

「?あ、はい。」


口元に人差し指を立てながら、もう片方の手で手招きをする怜子に付いて行った部屋を覗くと、

「ね、可愛いでしょ?!」

そこには、スヤスヤと眠る葵の横で、見守るように眠りについたであろう寛太の姿があった。