となりの女の子

中学2年生になり………………
野球部でのレギュラー維持のため必死で授業についていってる寛太と違い、
本人たっての希望で塾に通いはじめることになった颯太。


こうして、ただでさえ学校で関わり合わない双子は、家でも顔を合わす時間が減っていった。


そんなある日―――――

学校から帰り、玄関前に立つ寛太は、

「あれ?まだ帰ってねーの?」

とりあえず、灯りの点いてない家のチャイムを鳴らしてみるが……やはり何の反応もなく

「っんだよ。」

そそくさと隣の藤原家へと向うのだった。


「あ〜お帰りなさい!」

笑顔で出迎えるちひろは、

「疲れた?お腹空いたでしょ?」

「ん、まぁ。」

「入って!怜子さん、颯ちゃんの塾の面談なんだって。」

「ふーん。(聞いてねーし!)お邪魔しまぁす。」

何も聞かなくても状況を教えてくれる。


「“あお”は?」

「今、パパとお風呂。寛ちゃんは塾に行かないの?」

「無駄なことはしない主義なんで。」

「言ってくれるじゃん。それなりにデキルって言いたいワケ?」

「ま、それなりに。」

「それでイーんだよね!」

そして自然に話を続け、

「あんまりデキが良いと、なんか緊張しちゃうし私。」

「…」