となりの女の子

「そうか?」

「…俺と比較する言葉でも浴びせれば一発じゃないですかね。」

「ほー、なるほどな。…やっぱりアレか?双子ってのは苦労するのか?」

「まぁ、色々と…」

「若いのに大変だなぁ。」

「ども。」

「引き止めてすまなかったな。気を付けて帰れよ。」

「はい。失礼します。」

「ん。…なるほどなぁ。」


そして顧問が、最も効果的な題材の存在に気付くまでに、さほど時間はかからず…


「よし、じゃあ今日の練習はここまで!」

「はい!ありがとうこざいました!」

「それから日沼!帰る前に職員室に来いやぁ。」

「え、あ、はい。…?」


さっそく話を投げ掛けてみるのだった。


「おまえ知ってるか?双子で野球するストーリーのアニメ。」

「…はい。なんとなく…」

「なら話が早い。」

「は?」

「おまえから兄貴に話してくれないか?…野球部に入ってみたらどうかって。」

「無理!つか無いっすよ!アイツ野球なんか全く興味ないんで!」

「分かんないぞ。なんせ、おまえらは双子なんだからなぁ。」

「一緒にしないで下さい!双子でもオレら全く違いますから!素材っつーか、つくりっつーか…」

「んなこと、やってみなきゃ分からんだろう?」

「はぁ!?」