そんなこんなで結局、
颯太と寛太は揃って地元の中学校へと進学した。


葵も二人が卒園した幼稚園に通うことを決め…
それまでは公園や児童館、リトミック教室に足を運び、楽しく過ごしていた。


「あ〜!そーたんだぁ!」

学校から帰宅した颯太を見つけ、リビングの窓を開けて声をかける葵は、

「おう、あーちゃん。今日は何してたの?」

「こーえん!ブーランとスルスルしたよ!」

「あはは、ブランコと滑り台?」

「うん!」

だいぶ会話も成立するようになり、

「楽しかった?」

「あのね、ゆうちゃん、ゴッチンなったよ!」

「ん?転んだの?」

「だって“あお”スルスルして、ゆうちゃんヨイショヨイショって来たもん!ゴッチーンって!」

「あ〜。それはゆうちゃんが悪いね。で、大丈夫だった?」

「うん!ゆうちゃんはエーンエンって。」

「あーちゃんは?」

「“あお”強いもん!」

「ん?ゆうちゃんって女の子?」

「おののの子」

「あははは、そっかぁぁぁ。」


たどたどしい言葉が面白く、また可愛くて仕方がなかった。