「怜子さん、よーく考えてますねぇ。母親の鏡だわ。」

「自信が無いだけよ。あとで文句言われないようにね…さすがに高校受験になれば意志もしっかりついてるでしょ?!」

「そーですね。それぞれ特待生で授業料免除になってたりして!!」

「そんな孝行息子じゃないって!」

「分かんないですよ〜!」

「ま、そんなこと考える楽しみを刈り取っちゃうのもつまらないしね!」

「…葵はどうしよう。女の子だし、小学校受験させよっかなぁ。」

「なら、うちの子達と同じ幼稚園じゃダメね。」

「えー、そうなんですか?」

「お受験用のお稽古事にも通わせないと。」

「なんですかソレ?」

「うちは“お受験”してないから分からないけど…ネットで調べてみたら。」

「やだ、なんか気になり始めちゃった。ごめんなさい、私帰りますね!」

「え、あ、あのさ…はやっ!」