土田「とにかく名前かい……っておーい?
どうしたの?顔真っ青だよ」
里優「……ッ」
藤松「……もしかして、澤井、さん?」
里優「ぇ…」
里優が驚いて顔を上げると、そこにいたのは同じクラスの藤松実玖。
いつも綺麗で、一人で読書していることが多い人。
少しだけ、憧れていた存在。
土田「実玖と同じクラス?」
藤松「…そう、名前は確か…、」
里優「………う」
向坂「ん?」
里優「澤井、里優です。」
澤井里優(サワイ リウ)。長い黒髪白い肌。華奢な体、と大分お姫様のような見た目の子。
土田「里優、ねー!了解ッ!」
里優「…ぁの、私まだ入部は…」
土田「ん?おけおけ!見学?」
里優「見学、は…いつもしてますから、平気です」
土田「…いつも??」
つい素直に答えると、怪訝そうな顔で見られる。
里優は真っ赤になってうつむいた。
里優「…うらやま、しくて…皆さんが…。
自由に、笑ってる姿が、好きで」
高杉「……可愛い」
浅木「やばい」
向坂「落ち着いて。
とりあえず、里優。アンタに何があんのかとかは聞かないけど、よかったら入部してね!」
里優「…はい」
一番の笑顔で笑う。
そんな姿に皆和むが、一人は違った。
藤松「木ノ本さんは?」
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