「ど、どうも」
やっとの思いで口にした言葉はなんだかそっけなかった。
「どうも」
そんな俺に少しイラだちを込めた言葉がかえってくる。
チクっと針で心臓をさされたみたいな気持になった。
そんな俺を、総は一瞬で見抜いたのだろうか?
手早く彼女と僕を自己紹介させて、教室へとひっぱられた。
「ってぇな、そろそろ離して」
背中を向けていた総がバッっとこちらに振り向いて興奮気味に聞いてきた。
「お前、りなに惚れたろ?」
急に言われた言葉にびっくりした。
目が点とは、正にこれのことだと思った。
「はっ、な、ナニヲイッテイルカワカラナイ」
完ぺきテンパった俺をケラケラと笑う、
「お前、分かりやすすぎ!!俺が恋のキューピットやってやるよ」
「…………よろしく」
やっぱり、自分の気持に嘘はつけない。
あの時感じた感情は、やっぱり“恋”というものでした。

