「あぁ…、知力で推薦されて入学した方ね?」


「その通りです。では……春野さん、軽く自己紹介を。」


「あっ…はい。」


結城先生に促され、教壇の中央に立つ。


「し……春野明日香です。どこかの令嬢というわけでもなく高等部から入ったので、不慣れなことが多いですが…。よろしくお願いします。」


深々と頭を下げた。


すると、チラホラと拍手の音が聞こえる。


頭を上げると、西園寺アリスまでもが小さく手を叩いていた。


「春野さんの席はあそこです。春野さんはこのあと私と一緒に来てください。とりあえず席についてください。」


「はい。」


あたしは1つだけ空いている席につく。


5人しかいないから、とても目立った。