「それで、それってどんな内容?」
あたしが恐る恐る聞いてみると。
『なつ美が高槻先輩の胸倉掴んで睨みあってたとか、なつ美が先輩に1発かましたとか、もーかなりいろんなこといわれてたけど、本当はどうなってるの?』
…最悪だ。想像以上に尾ひれに背びれがくっついちゃって、仕舞いには足まで生えちゃいそうな感じで、あたしが凶暴なやつになっている。
「ケンちゃんにあたしのこと覚えてないって言われた。」
思い出しただけでも、涙出そう。
『…でも、10年も前なんだしなつ美もかわいくなっちゃってわかんなかったのかもしれないでしょ!!』
『そうですよ~。女の子は変わりますから~!』
2人とも慰めてくれる。
その優しさにも涙が…
「ぐず、そうなのかな?」
『そうだよ!ってか、ちゃんと名前とかどこで会ったとか話したの?』
「あたし…名前言ってない。あたしの顔見ただけで思い出してくれると思って…」
「「「・・・」」」
「もう1回行って来る!!」


