「…うぅ……」


うるさく鳴り続く目覚まし時計を両手で勢いよく叩く。

朝6時。

向かいのマンションが、朝日に照らされて少し明るい。

私は、横に眠る茶髪をとかしながら、起きる準備をし始める。

「沙々…起きなよ?」

私が声を掛けると、眠たそうな声を出しながら、ゆっくりと起き上がる。

「沙…」

寝ぼけながら、軽いキス。

乱れた髪が、たまらなく愛しい。

「起きて、沙々」

「ん…朝?」

「そうよ」


眠たそうに目をこすりながら、185㎝の長身が体を起こす。


陽に透けた髪が、毛先を金髪にして、
つい2ヶ月程前の、沙々を思い出させた。