「さっ。速く行こうよ。」
速く、速く。と俺の背中をぐいぐい押していく伊織。
後でもいいんじゃないか?なんて呟いたら
聞こえないふりをしてずるずると音が聞こえるんじゃないかと思うぐらいに引っ張られた
「うわっ……。」
何だよこれ。
俺達が呟いたら先には黒山の人だかりが出来ていた
やっぱり、待っていないか?と隣にいると思われる伊織に聞くと
既に居なくて、何処だ?と探そうと辺りを見回すが………それらしい人物は居ない。
何だよ。あいつ。連れて来といて、それは無いだろ。
と相手に対して言いたいが、相手が居なくて仕方なくムカムカする気持ちを抑えて
さて、これからどうしようか?と考え
すれ違いが起きても嫌だ。だから、誰もが通ると思われる昇降口で待っていることにした。

