「インテリ高校生のイヤミな会話……」


背後にいるたまきがぼそっと呟いた。


「そんなこと言わないの。それより二人はなぜこんな関係に?」


振り返ってたまきに聞く。


「さあ? 明らかに碧君がすだちに好意を持って近づいたね。話しかけたのは向こうだから。どうする? 友達のすだちに急接近してるよ」


たまきが彼らに聞こえないように小声で聞き返してきた。


『どうする?』って聞かれても……。


返答に困る。


どうすることもできない。


まだ、何が起こってるのかいまいち理解できない。



「二人ともいたの?」


模試のデータから目を離したすだちが私たちの存在に気付いた。


「うん。何やってんのー? 私も見せてー」


すぐさま表情を変えて、たまきは陽気に笑って二人のところへ飛び込んでいった。


「うわー。すごーい! てんさーい! これ碧君……じゃない涼宮君の模試結果? こんな結果マジ見たことない。超うるとらスーパー偉いじゃん」


すだちが持ってるデータを傍から覗き込んで、大音量の声で騒ぎまくるたまき。


「こらこら。勝手に人のデータを見ないの。まったくもう、たまきったら」


すだちがたまきを軽く注意する。