「1年の時、同じクラスだったよ。喋ったことないなあ。超真面目で近寄りがたい感じするから。たしか無遅刻無欠席で成績優秀だったはず……。典型的な模範生徒だね。でも、性格面が……」


「性格がどうした?」


「問題あると思う……」


「え!」


「笑ったことないって聞いたことある……」


「え? 笑わない人なの?」


「うん。そう聞いた。でも、詳しいことは知らない。仲良くないから。冷たそうじゃない?」

た、たしかに……。


冷たい感じの人に見えた……。


サイン求めてもスルーするし……。


「でも、気になる。こんな気持ち久しぶり。誰かに興味を抱くのって……」


「珍しいよね。心愛が恋バナするのって聞いたことないかも。私ばっか話してる気がする。心愛は今のところ、彼氏いないもんね」


「うん。いない。男に興味なかった」


だって、私の学校は……。


公立高校の英語科。


英語が中学の時は得意で好きだったから進学したんだけど、男子より圧倒的に女子が多い。


ここは女子校かって感じ……。


そんでイイ男がいない。


まったく誰にもときめきを感じなかった。


潤うことなく、干からびて高校生活が終わってしまうところだった。