「すーぐ見つかるって! また会えるよっ!」


大きな声で私を励まして、たまきは手鏡で自分の顔をのぞいていた。


そうして、櫛で自分の明るい茶色に染めたセミロングシャギーの髪をとき始めた。


「そういえばさー、昨日の金曜の夜にクイズ番組あったじゃん。見た?」


「見た、見た。さっき、話したでしょ? 『高校生クイズ』の男の子って……」


「あー。ごめん。ボーっとしてて聞いてなかったわ。その番組、私は見てないんだけど友達からメールあってさー」


「何、何、何!? 興味あるんだけど!」


私、前に乗り出す。


「うちの高校、優勝したんだよねー」


え~!


たまきの高校が~!?



「うん。まあ、どうでもいい話なんだけどね~」


「どうでもよくない! どうでもよくない!」


思わず、たまきの肩を掴んで揺さぶる。


「おお。揺れる、揺れる。やめてよ~」


「だって―――! たまきの高校ってことは、彼はたまきの高校にいるってことだよ!?」


「あー。そうだね。赤西翔、前田翼……あと残りひとり……誰だったっけ……出場者……?」



「涼宮碧!」


「ビンゴ!」


「『ビンゴ!』じゃないよ! 私の想い人! それ私の彼だから!」


「え? 碧君? マジ?」


「うん。うん。うん。うん。うん」


私、首をブルンブルン激しく縦に振る。

興奮してきた―――――!