でも、好き。

私、めげない。

追いかける。



「ちょっと待って!!」



そう叫んで、エレベーターの中から出ようとした瞬間。



ガタンッ!


「ぎゃ!!」


ドアに体を挟まれた。


イタッ。


イタタタタタ。




▼ ▼ ▼ ▼ ▼




「で、見失ったと?」


隣にいるのは、予備校で知り合った友達のたまき。


水原環(みずはらたまき) 高3 彼氏アリ


申し遅れました。


私の名前は、梨田心愛(なしだここあ)
碧様やたまきと同じ受験生です。


でも、ぜんぜーん勉強してない
っていうか、ぜんぜーん勉強できない落ちこぼれ。


焦りすらない。



今、1コマ終わって休憩時間。


教室で、たまきに
さっきの出来事を語り尽くした私。



「うん。どこのクラスなんだろう? うちじゃないよね? 探しても見当たらない。きっと違うクラスなんだよ」


「ふーん。見つかるといいね。その男の子」


「うん。うちの予備校はこの普通コース以外にいろいろコースがあってクラス分かれてるから探すの大変だよ」