でも!!

碧様ってイイ人!!


わざわざ拾って渡してくれたんだよ!


冷たいどころか超優しい!!


拾ってくれるなら私、何でも落とすよ!!


これから、すだちには何万回もプリントを落とし続けて欲しい!!


そしたら、そのたびに碧様がやって来るかもしれないから!!



碧様が席に戻ろうとした時だった。




「伝説の雪男、はっけ~ん!!」




教室の出入り口から声が聞こえた。


見ると、あの金髪男が碧様を指差して下品な顔付きで笑っていた。


懲りないやつ……。


あれから10日が過ぎ、雪男というあだ名は調子に乗ったたまきが言いふらしてメジャーになっていた。


たまきのバカ!


もっと、バカはこの男だけど……。



「雪男、雪男、雪男!!」


金髪男が冷やかしを止めようとしない。


あー、もー、うっとうしい。




ギロッ!!




碧様が金髪男に冷凍ビーム第2波を放つ。


男はたちまち、表情が変わる。


また、フリーズした。


PM7:10 金髪男、凍結 



私の体もこわばる。


恐怖!!



時間は流れ、金髪男は暗い顔して去っていった。


「こわかった」


すだちは私に目配せして、口パクで言った。


碧様の目つきは通常に戻った。