チェリーガール

だからといって、好きかというとそうではなく私は彼のことをただの友達だと思っていた。


そう―――――。


彼は友達。


男友達だった。


恋って……雷に撃たれるようなもんじゃない?


その雷が落ちなかったの。


私は彼といても全然ドキドキしなかったし、会いたくてウズウズするようなこともなかった。


だから、何とも思ってなかったんだよね。


でも、告白を断ることはできなかった。


フッたら泣かれたんだ。


男の子が泣くなよって思った。


だけど、かわいそうになった。


だから、私は彼と交際することにした。


情にほだされたんだ。


泣かれたら……さすがにね……。



それで、付き合うことになったんだけど彼のことを好きになることはなかった。


中学を卒業するまでズルズルと流れで付き合ったけど彼氏として見ることは、とうていできなかった。


中3のクリスマスイヴの日、ファーストキスを体験した。


その日は、雪が降っていた。


場所は、ショッピングモールの隅で私たちは建物の陰に隠れて向かい合って体を寄せ合いキスをした。


分厚いコートを着た彼に抱き締められたんだけど……。