私はたまきに支えられて教室のドアの前まで来た。


でも、廊下は帰ろうとする生徒たちでごった返し……。


外に出ようにも出られない……。


「あちゃー。エレベーターも階段も混んでそうだね……。どうする?」


私は押し黙った。


早く帰りたい……のに帰れない……。


せめて夜風に涼みたい。


こんな時、どうすれば?



「あー。いい方法がある。裏口があるじゃん」


何やらたまきが呟いた。


「おいで! こっちだよ!」


勢いよく言い放つと、急に力強く私の手を握った。


意気込んだ様子のたまきは、私を引っ張って廊下へ連れ出した。


途中、廊下ですだちを発見!


「おー!! すだち!! 試験終わり?」


声をかけられて後ろから
たまきに肩を掴まれたすだちは、振り向いて私たちを見た。


「うん。終わりだよ。一緒に帰らない?」


「うん。帰ろー。心愛調子悪いんだってー」


「え? 大丈夫? 試験疲れ?」