チェリーガール

碧様見たら顔がニヤッ。


笑っちゃうんだ。


へへへ……。



「まーた、ニヤニヤしてる……」


突如、私の前に立ちふさがったのは冷めた表情のすだち。


彼女の出で立ちは濃紺の上着、スカートと白のブラウス。


いつも見慣れた服。


つまり、学校の制服姿。


それもそのはず。


すだちは、学校から直行で予備校に行き自習室で勉強してから受講する。


まさに受験生の鑑だ。


いったん、帰宅して栄養補給してから予備校に向かう私とは違う。


そんなわけで、私は私服姿。


実をいうと、私とすだちは双子くらい似てる。


ナチュラルカラーのセミロングシャギーという髪型が同じ。


膝より少し短めの制服スカートの丈も同じ。


顔だって美人じゃなくて田舎臭い芋っぽいところが似てるし、標準である身長も体型もほぼ同じ。



校内ではよく外見を間違えられるほど……。


それなのに、中身が異なる。


道徳的なオーラを身にまとった理知的で品行方正のすだち。

危険なオーラを身にまとった本能のまま妄想する変態になりかけの私。


ち、違いすぎる……。


異色コンビのような……。