チェリーガール

え……?


Hのやり方がわからないって……?


碧様……知識人なのに……?


性に関する知識もあった方がいいと思うよ?


っていうか、今後は頼むからそっち方面も勉強してください……。


「ちょ……ちょっと……」


私を手招きして呼ぶ、たまきの顔は引き攣っていた。


私、たまきに近寄る。


「他の男にしなよ……」


たまきが私の耳元に囁いた。


「な……何言ってるの?」


私、囁き返す。


「今の……完全にひいた……」


「ひかないでよー。イイ人なんだから」


「心の底から心愛には同情する」


「同情とかいらない」


私たちは黙って歩くことにした。


それから、私も碧様もたまきも口をつぐんだ。


さっきのは、なんだったんだろうと思う。


白昼夢だろうか?


いや、どんなに否定しても現実であるに違いない。


しばらく歩くと、大きな病院の前を通りかかった。


病院の塀から桜の枝が伸びていて歩道を華やかに飾っていた。


「うわー。キレイ。桜だよー」


口を切ったのは、お喋りなたまきだった。


桜の花びらが歩道にひらひらと散っている。


目の保養になる。


「いいねー。そうだ。このメンバーで花見しようよ」


たまきが提案。


「それから、すだちとその彼氏も誘って皆で盛り上がるんだ。いいでしょー?」


そう言って私の方をたまきは見る。


「いいね」


碧様がたまきに賛成。


私もワクワクしてきた。


面白そう。