チェリーガール

「ねー、ちょっと」


たまきが、碧様の方に歩み寄る。


「聞きたいことあんだけど」


「ん?」


「なんで碧君は頭の回転が速いのに彼女が欲求不満って気付かな……」


「ぎゃ~!!!」


私、叫びながら
たまきの口をあわてて塞ぐ。


変なこと言わないで―――――!


嫌われるじゃない!!


「何すんのー!?」


たまきが私の手を振り払う。


「だってー!」


「相手に伝えなきゃ、ダメじゃん!」


「こんなこと、女の子の方から言うことじゃないよ!」


「言わなきゃ、わかんないじゃん!」


「わからなくてもいいの!」


「よくない! なんで碧君は東大みたいなすっごい大学に受かったのに、こんなに恋愛に関して鈍いの!? いいかげん、頭に来るよ!」


「放っておいてよ!」


「私は心愛のためを思って言ってるんだよ?」


本気でたまきとバトルになった。


激しく睨み合い。


なんでこうなるの?