「ごめん……。よく、わかんないや」


「めっちゃ、おもろいのに」


嬉しそうに、碧様は顔に笑みを浮かべる。


大阪弁とお笑い。


ダブルパンチを食らった。


二つとも大の苦手。


特に、大阪弁でお笑い好きの男の子が嫌なんだよ。


碧様は、該当外と思ってたのに。


もっと、赤い薔薇をくれるようなイイ男だったはず。


それに、オーダーメイドのフレグランスなんかプレゼントするようなシャレたことをする男だったじゃないかー。


デートの時は必ず、つけてるんだぞ。


今日だって、香水つけてきたんだぞ。


それなのに、漫才が好きってどういうこと?


碧様に、ついてけないよー。


すっごい悩むー。


「休みの日は、お笑いを見るに限る」


碧様が、ひとり言を呟くように言った。


「そこまで好き?」


「うん。好き」


碧様が私の問いに即答する。


休みの日は、ドストエフスキーやヘミングウェイの小説を読んでいてほしかった。


なぜ漫才?