チェリーガール

正座して花束を太ももの上に置く。


薔薇の花を一本だけ抜いてそれの匂いを嗅いでみた。


良い匂い。


今までの人生でこんな花束をくれた人、いただろうか?


いや、いなかった。


碧様だけ……。


その碧様に完全に嫌われて、私は愛を失った。


本当に失恋したんだ。


部屋を常日頃から片付けていれば、こんなことにはならなかったはず。


すべては、自分の怠慢が原因。


私が悪いんだ……。


それで、この恋は終わった。


もう、終わったんだ。


そう思うと、ツンと鼻が痛くなった……。


薔薇を包む透明のフィルムの上に熱い涙をポタポタ落とす。


涙がこぼれ落ちては流れ、またこぼれ落ちては流れ……。


延々と止まらない。



胸が切ない。


やるせない。


ただ……。


痛い……。


すごく痛い……。


胸の奥が痛い……。


あまりの痛さに、息ができなくなった。








私は泣き崩れた。