チェリーガール

全身が汗、びっしょり。


タオルで体拭こう。


タオルはないか、辺りを見る。


横を向くと
ビーズクッションに座っている
たまきが俯いて泣いていた。


!?


「たまき?」


たまきは、顔を上げようとしない。


どうして?


「気が……ついた……?」


こんな鼻声で話すたまきを見たのは初めて。


何があったの?


「家の前で倒れちゃってお母さんと2人で運んだんだよ……」


「運んでくれてありがとう」


「ううん。私、謝らないと……」



たまきは、手の甲で涙を擦った。


そして、話を続けた。


「余計なことしてごめん。私が碧君にメール送らなかったら心愛、嫌われなかったのに。私のせいで……」


「たまきは悪くないよ」


「ううん」


たまきは、自分の膝を見つめたまま首を横に振る。


「心愛は寝てる間、ずっと碧君の名前を口にしてた。苦しそうに唸りながら……目尻に涙を溜めて……。そんな心愛を見てるとグッと来ちゃって……。私、とんでもないことしちゃったんだって……。心愛がかわいそうに思えて……。私、どうしたらいい? いっつもこう。良かれと思ってしたことがいつも裏目に出るんだ。なんでこうなんだろ……。私こんなだから世の中にいらない人間なのかなって……」